ぼんやり、じわじわと、知らぬ間にね。

いつだって文化祭をやっているノリである。朝から地域の高齢者への食事会を開催して帰り、ヘトヘトなのに、明日の子ども向けのコンサートの準備をしに夕方出かけて行く。今日は準備に来た人の集まりが少なかった。それでもだんだんと昼間の仕事を終えた人たちが集まって来て、いつものように一通り終えることが出来た。

みんなここに集まって来るのはボランティアだ。毎年一回、乳幼児とその保護者を招いた無料コンサートをやっている。コロナの影響もあって、ここ数年は500人ほど入る会場の席を減らして、隣との間を開けて開催していたこともある。親子で出かけることが難しい中でのイベント開催を小規模ながらも続けて来られたのは今になって良かったなあと思う。続けて行かないと、やる方もやったことがない人ばかりになって、全てが初めてではやること自体が難しいなあと思うのだ。

地域のお祭りなどは、あの3年間で無くなったところもあると聞く。私の地域では祭り等自治活動を小さいながらも続けて来たというだけで、やり方や道具の場所、関係機関との繋がり等がわからなくなってしまうのを避けられた。ボランティアのこのコンサートも、初めて参加する人と経験がある人が少しずつ毎年混ざり合っていくことで、その中で一緒に活動してやんわりと引継ぎが出来ているのだ。誰か一人が気負い過ぎないで、全体でぼんやりとした記憶の中でもお互いでフォローし合い、失われる部分を新しく構築して形作って行く。そんな風に、少し古く少し常に新しく進化して続けられて行くんじゃないかと感じている。細々と続けられていて良かった。

集まるこのボランティアの人たち。自分もそうだが、イベントをやるのが好きでもあるし、人と集まって何かを作るのが楽しいという経験をしたことがある人が多いのだなと想像する。毎年誰かが指示しなくても、進んで何かをやろうとして出来る人ばかりなのはもちろんだが、得意になってこれが出来るからやっているというよりは、単純にそこに集まっていること自体が楽しそうなのだ。

私も特に何が出来るわけではないが、みんなと一緒にわらわらと集まって、何だかんだ話をしながら作業をしているのが好きだ。荷物を運んだり、片づけたり、物を作成したり、ひとつひとつは大したことのない雑用をただみんなでこなしながらやり進める。そういう場所に参加するのが好きなのだ。その程度のことならやるよ、これやるの?やっておくよ、と言う人ばかり。きっと学生の頃に文化祭等ではそんな感じで集まってやっていたんじゃないだろうか。自分も振り返ってみると、学生の頃、こんな風に楽しんでいたよなぁと思う。まぁ、自分がそうだからもしかしたらそうなのかなと思うだけなのだが。

もし、過去の学生生活で楽しい経験はないけれど、集まって何か人と楽しむ経験をしたいと思うなら、大人になってからそういう地域の活動に参加するのは、学生のような幼いトラブルにも巻き込まれず楽しく体験出来るぞと思う。みんな大人だからね~。これだけ忙しい世の中にいながら地域の活動に参加する人は、人が集まるその場を楽しむ人である。気さくにおしゃべりするけれど、周りの人に対して気が遣えて、相手とのイイ感じの距離を取れる人が多くて、まず嫌な顔をしない。人好きで優しく、大抵の面倒な物事を断らないで進んでやってくれたりする。そんな良い人ばかりなのだ。

こうやって書いていて、はたから見たらそこにいるのも自分なのだから、まるで自分を褒め始めてないか?と一瞬思ったが、けしてそうではない。けれど、自分はイイ人が多い中に今まで気楽に参加して来て、相手がいつもイイ人たちだから、こちらも釣られて優しくなって、おしゃべりになって、・・・このままやって行くと自分もイイ人になりそうだとは思っている。笑顔をもらって、今現在も人の接し方を学んで笑顔をとりあえず返しているところ~。

では今日はこのへんで。