誰かの一日をコピーして生きてみたら、同じ感覚で時間は流れるんだろうか。

今日はぐだぐだで。週の真ん中、週末寄りなのに寝不足。夜10時過ぎに鍵盤を触ったり音楽を聴いたりすると、覚醒してしまって眠れず、次の日は大体ダメダメな一日になる。今日はそれでも朝からコピーした楽譜を使えるように貼り合わせ、なるべく荷物を軽くしてピアノレッスンへ行った。なぜか外から感じる時間の感覚が長い。自分のテンポが速いようだ。

そのまま、時間の感覚がどうもおかしい。信号待ちしていても、それほど長く感じなかったのに、電車内ではとても長く感じられた。なぜに?一本目の電車からこのスタート。最初立っていたが、途中あと駅2つのところで目の前が空いたので座る。眠い。短い5分位の時間なのに寝ては起き、寝ては起きを繰り返した。一体なぜ着かない?もしかして本当はもっと寝ている?実は到着駅に着いて引き返して戻って、また着いた?・・・という訳ではなかったようである。気分的にはそんな感じだった。寝過ごすことなく、たっぷり寝たゾという感じで目指す駅に着いた。

ホームを歩いていると、杖を突いた高齢者が自分の周りを囲む。きっと自分の意識が高齢者に向かっているのだろう。なぜなら今日は寝不足だ。必要最低限で認識出来る範囲が狭く、いろいろな情報把握能力が不足している。自分の気にする最優先順位みたいなものか。妊婦が近親者にいると途端に世界に妊婦がこれでもかというくらい目に映るときと同じようなもんだ。きっとそう。違う?あれ?おかしいな。目に映るのは高齢者とヘルプマークをぶら下げた人ばかりだ。そういう時間帯だったのかもしれないとも思ったが、いつもピアノレッスンに通うときは同じ時間帯だ。あれ?一緒に歩くガイドヘルパーも今日は目立つ。今度カウンターを使ってカチカチ数えたら、きっとたくさんいるんだろうなぁ。普段はそれほど意識していないだけで。

乗換えて次の電車に乗る。本当はあと5分もあるから待つなぁ、と思っていたのにすぐ来た。実際に電車が来るのが早いのか、電車を待っている時間を早く感じているのか、とにかく早い。けれどそこからが長かった。待つ、という行為をしているときは早いのに、電車に乗ってあれこれ考え事をしていると、一つ一つの駅までがどうも長い。けして遅延しているわけでもないのに、一向に着かない。こういうのって、確実に怪我をしそうなときに周りがゆっくり見える感覚みたいな感じじゃないかと思うと嫌だな。別に怪我もしてはいないが、それだけ今日は危険な状態だったのだろうか?異常にゆっくり流れていた。頭の中で自分の思い浮かぶドラマが一つ二つじゃない終演があり、それに合わせた感情の波も生まれては消える。けれど、これすでにエンディングなのにまだ?もう一本観る?みたいな感じで暫く続いた。

やっと駅に着く。まだ、これからバスに乗る。電車を降りて人ごみの中を進み、やっとの思いで改札を抜けると、乗るはずの予定のバスが止まっているのが見えた。かなり行列になって混んでいそうだ。発車時刻まで2、3分はあったのだが、ひとまず走ってみた。いや、別に何も起こらないが。こけることも無く、バスに乗り込む。バスに乗ると一番後ろの席の真ん中が空いていた。普段座るのをためらう場所だが、混んでいるときはなるべく座った方がバスの運転手も安心だろう。ということで座る。席はほぼ満席になったが、思ったより混んでいない。あの行列は一体なんだったんだ。自分が思っているよりバスって人を抱えて飲み込んで行く量がすごいと思う。立つ場所は少ないのになぁ。不思議じゃ。

とりあえず着席出来てほっとしたのも束の間、両サイドの席は家族だったようで、私の上を飛び越えての会話が続く。「ここのハンバーグが」「ホラ、行きは坂道だから帰りは下りだし歩こう」等々。いちいち自分も「この店でいつか食べたいと思っている」「この上り坂の後は下るんでどちらにしても上るよ」と頭の中で話に突っ込む。さすがに会話に参加はしないが。ふむふむ、この次のバス停に止まったら下りるのだねと思っていたら、隣に座っている二人の会話が急に止まり、私の側の若者が居眠りしている。え?この一瞬で?あ~、頭がぐらんぐらんだ。も、もう私の肩に乗る~ぅ。横一列には並んでいるが家族でもない私の肩で眠るのか?!

バス停に着いた。前の椅子が空いたので、早速移動する。どうせどかねばならない。後部座席に座っていた観光に来たであろうその家族も降りて行った。自分もこの後2つ先で降りる。あっという間にバス停に着いた。時計を見ると、あと30分ある。思っていたより早かった。仕方ないので、時間まで近所を散策する。あまりうろうろしていると、高級住宅地でもあるから不審者に思われないか心配になるが、今日は寝不足のせいなのか平気だった。暑いこともあって、一枚上着を脱ぐ。日陰で水分補給もする。少し先にある急な坂道の上から猛スピードで下りて来るワゴン。車ではない。ベビーカーでもない、小さな子どもをたくさん乗せた台車みたいな箱が、若い保育士さんのかけ声と共に下りて来る。この辺りは坂道ばかりなのでかなりの力仕事だろうが、楽しそうだった。親が見たらとちょっと心配かもなとは思うが、ちょっとしたジェットコースターみたいで、ハラハラして子どもにとっては興奮する体験だろう。自分だったら怖いと思いつつも楽しい経験になっていいな~と思って見ていた。

レッスンに向かう道はまだ続く。どうしたものだか、時間の感覚がおかしい。あの後、住宅を売る看板を見て、道すがらその場所を見て、進むと庭師の若者がいて・・・とか、話が長くなる。今日一番長い時間を過ごしたのがレッスンへ行く片道の道中かなぁ。その後はあっという間にこのブログへ辿り着く。いや、そんなことはないか。人ひとりの一日は長い。しかしながら今望むのは、起きている時間の長さより、今日の長い睡眠時間だ。早寝するべく支度しよう。

では今日はこのへんで。