お忍び風の、特別席風の、気遣い風の、ふふぅ。

友人と気になっていたレストランでランチをしようと向かう。予約でいっぱいの店の様だったが、二人席を作ってくれた。本当はテラスから見える素敵な景色が売りの店。待っている途中、別の扉から数名男性が出て来た。こんなところにもドアがあるのか。へ~。出て来た男性たちはレジを通らず、そのままエレベーターへ。そのタイミングの少し後、ご用意が出来ました、とお店の人に呼ばれ入って行くと、テラスがない奥の落ち着いた二席。景色はほぼ見えない場所だったが、他からは少しだけ遮断された空気感で、まるで個室にお忍びで来たような雰囲気となる。奥に壁ともわからないドアがあり、先程抜け出て来た男性たちはここにいたのかと友人で見合う。静かだし、話をするには向いていて良かった。料理も昼には少し高めのコースの他にリーズナブルなランチがあって、結構穴場なのかもしれない。前菜やスープは他のコース料理と同じ物が出る。この辺りは見かけ倒しの店が多い中、ワンプレートの前菜でさえ、ちゃんと新鮮な魚や野菜、肉が綺麗に盛られ、それぞれの味付けとソースが食べやすく美味しい。安いものしか食べなさそうな自分たちと高いお金を出すであろうお客との対応に本当なら明らかな差がついても構わないだろうに、ここのお店のスタッフの対応は他のテーブルと差が無くて、説明も丁寧だった。同じ金額を出すならまたここがいいな。帰りに「今度は是非テラス席へ。」とオーナーっぽい人に声をかけられ、次は予約して来ようと友人と話して店を出た。

デザートを付けなかったこともあって、甘い物を探して少し歩く。先日演奏会で来たホールのビルの上の階に昔からあるお店に向かう。先ほどの店の景色が心残りだったせいで、眺めがいい場所に友人が行きたくなってしまったためだが、行って正解だった。昼の間、ホールでの演奏会などが全く入っていなかった日ということもあって、ビル全体が空いている。お客は少なく、窓側の席が空いていて眺めがいい。カフェメニューは少ないのだが、それはほとんどのスタッフの休憩タイムにするためなのだろう。周りが忙しくなくて気楽に過ごせる。一時期窓が曇ってしまっていて、評判が悪くなっていたが、今ではすっきりして周りを見渡せる。今日みたいに晴れた日はかなり遠くまで見渡せた。気楽に長話をして、気が付いたときには夕方。ビルの影が伸びている。普段は周りのご婦人たちの響く声のパワーで聞きとりづらい自分たちの会話が綺麗に届いた。声を出すためや聞き取るための気力も要らず、のんびり出来た。こちらもまた来よう。特に、演奏会が開催されていない日にがいいな。今日はいいタイミングに来れたな~。

ただじっくり話を長い時間していたせいで、疲れはあり、帰りのレジでボケボケしていた。何をボケていたのか店を出るまで気が付かなかったので、本当にボケていた。この間家族から交換した小銭がたくさんあったのでそれを出そうと思い、5千円札と百円玉、十円玉と合わせて出す。が、なぜか出した百円玉がさらに多く戻って来る展開となる。端数は500円になる予定がこちらが50円玉を出すのを忘れていたせいでより小銭が増えた。お店の人も私に何も問わず黙って返して来た。今思えば、それは素晴らしい気遣いのサービスだったのか、どうか。定かではない。入店するときにそう言えば気が付いてもらえず、他の店のスタッフがいるかと思ったらいなくて声をかけに戻ったよなぁ。あれはたぶん、気付いていないだろう。電卓で計算して、一度全部レジに小銭を戻して、それから小銭を取り直していたもんなぁ。レトロな店のいいところ?対応が気遣いなのかそうではなかったのかも想像して楽しめる。レジでのボケボケに私自身が気が付いたとき、一緒にいた友人は「?」から「?」の表情だった。おそらくあの場にいた3人とも気が付いていないんだ。誰か突っ込み入れてよ~。帰宅中、思い出しては一人笑う。人とのやり取りで起きる失敗は楽しいよなぁ。

では今日はこのへんで。