ウゴウノシュウ、いろんな鳥が混じってて最高だと思うよ。ハシビロコウもいいよね。キウイも。

気になっている。昨日夕方図書館から出て、ぶらぶらと買い物しようと歩いて店に向かっていたときのこと。かなり高齢の男性(なんと95歳!だった)が、植え込みにしゃがみこんでいた。そのとき最初は気が付かず少し通り過ぎてしまったのだが、若い女性が声をかけていることに気が付いた。戻ってよく見ると男性は植え込みの水たまりのところに尻もちをついて起き上がれない様子だった。

その女性と一緒に起き上がれるか声をかけているとあちこちから人が集まって来た。通りすがりの中学生らしき男子グループや道路の向こう側にやっていたお店の人も来て、近くのバス停留所のベンチを運んだり男性を抱えたりして何とか楽になる場所にまで座らせることが出来た。自分はというと手助けしている人の荷物やらその男性の荷物や杖を持って、平たく言うと突っ立っていただけなのだが。こういうとき、ただ突っ立っていても「目立つ」ことで人の注意を引き、人の助けを借りることが出来る。大抵集団の中にいると自分の変人さが際立たされるのか目立って嫌だなと思うけれど、こういうときはありがたい。ただそばで立っていることが役に立つ。立ち止まる、ということでさえも、力になるのだ。私自身も、高齢者の男性に声をかけている若い女性がいたことで気が付くことが出来たのだった。

さて、ほとんど自分は何かをしなくても、目の前に集まって来てくれた人たちが力になってくれる。いろいろ手際が良い行動力のある人や力がある人、判断力がある人たち等が容易くその場の問題を解決してくれる。周りに集まった人たちを見ていつもすごいなぁと思う。一人では特に何も出来ない自分だけれど、「おーい、助けてくれ~」ということくらいは出来る。今回は何も呼びかけなくてもみんな集まってくれて事なきを得た。向かいにある店の店主がその後は見守って、動かしたベンチも片づけてくれるとのことで、みんなが去るタイミングと空気さえ作ってくれた。本当にすごいなと思う。

その場を離れ、最初にその男性に手を貸していて声をかけていた若い女性とたまたま同じ方向へ歩いていたので、少し話をした。通り過ぎそうだった自分があの男性がいることに気が付いたのは、あなたがそこで立ち止まって声をかけていてくれていたからだ、ありがとうと伝えた。なかなか出来る人はいない、学生なのかとか福祉系の仕事をこれからやるのかなどと少し話をした。市内の学生さんで、この春から看護助手になるそうだ。さっきの高齢の男性を介助しているとき、声をかけながら腕を回すような技術があったので納得。そうなのか~。勉強していると違うよなぁ。

目的の店に着いたので別れを告げると、また会えますかねぇと言われ、こんな機会に出会ったから連絡先交換したいとのこと。いいよ~と軽く言って、スマホを取り出す・・・ということはない。けれど、いつもは渡さないボランティアに使う名刺を渡した。普段は渡さないんだけれど、と付け加えて何か困った時とかこの連絡先にと渡したのだ。

帰宅してからも、そして朝になってからも気になっている。あの場で困っていたのはどちらの人間だったのだろうか。高齢の男性が無事に家に帰りついたかどうかということよりも、こちらが名刺を渡したその彼女のことが内心心配である。昨日高齢の男性がしゃがんでいたことよりも、彼女の雰囲気が心配になり、どちらかと言えば彼女のために自分はその場に戻ったんだと思う。連絡先を渡したところで、たぶん使われない気はする。だけれども、彼女にとって切羽詰まったときの逃げ先、お守りみたいになっていたらいいなと思ってしまう。

いつもなら、相手の名前も覚えているのだが、今回彼女が学生証を見せてくれた大学名しか目に飛び込んで来なかったので、名前もはっきりしていない。初対面の人とは礼儀としてまず名前を覚えること、という約束事を達成出来ていなかった。どんなに心配したところで、名刺を渡しただけなので、こちらから連絡する手段もない。なぜかいろいろと抜けている。今出来ることと言ったら、相手の心配をしている自分自身に耐えることである。

一晩過ぎた。連絡がないこと自体が何事もなく元気に過ごしているということかもしれない。わからない。けれど、本人に誰かを助けたいという気持ちがあり、彼女がああやって動けていたことは、この世の中で役に立つ自分がいるんだという実感を少しは得ることになっていたはずだ。そう願う。

ともあれ、今自分の中には、本当に彼女から連絡が来たときのことをどうしようかな~と思っている。彼女が困ったときに連絡をしてくることについては、他の人にも相談出来るからいいかなと思ってはいる。けれど、何せ名前を知らないのである。どうやって本人確認するのか?学生のときに大学の先生がやっていた相談先を思い出す。自宅の番号は誰が電話してきても、名前を聞かないと言っていた。自宅の固定電話だったにもかかわらず、家族全員誰が出ても相手の名前を聞かず、大学の先生に回していたあの連絡先。あの電話みたいな、そんな「名乗らなくていい相談先」みたいになっちゃったりして。ヒャ~。それもいいかもなぁ。自分も、生きるために少しは人の役に立ちたいよなぁ。ぼんやりそんなことを思った。

では今日はこのへんで。