生まれたてのカフェは新顔の顔をしていない

ボランティア先で子ども食堂を立ち上げたいと言っているカフェが近所に出来たと聞いて、一人で行ってみた。聞いていた目印の建物の周りを二度程回ってみたけれど、見つからない。おかしい。仕方ないので目印の建物の近くを探索してみた。隣、と聞いていたが隣じゃないな、古い空きビルはあるけれど、綺麗なドアが見えるって?

人が何か探すときには視界が狭くなるものだ。隣の隣のビルに、そのカフェは突如現れた。視界に入っていたはずなのに気が付かなかった。看板は大きく出ていないけれど、メニューの書かれた立て看板がドアの横にあった。ここだ。閉店時間までギリギリだったので少し入るのを迷ったが、ドアを開けて見る。覗くと3つの部屋に分かれていて、人がいる声の方を見るとカウンターらしきものがある。そちらから声がした。

「入って入って。どうぞ。」3人ほどいるところに招かれた。ドアを開けたすぐのところに段差があって、靴を脱ぐのか?と一瞬思ったが、違う。カウンターがあるところにお客らしき人が一人座り、男女の店主らしき人がいた。どこでも好きなところへ、と声をかけられ、カウンターに座る。部屋の角には薪ストーブが据えられていて、一人掛けの皮のソファーが近くに2つ並ぶ。こじんまりしているが、窓の外にテラスがあり、そこにもスペースがあった。思っていたより広いなぁ。

メニューを見ると、外の看板より増えている。「まだやり始めたばっかりで。」とお店の二人は言う。コーヒーをメインに作って、他は軽食を出すようで、日曜は9時から。裏メニューがたくさんあるようだ。書いていないメニューをその場で作って出すという開店始めの段階。会計も先に払うのか後に払うのか、どうするか未定のようで、こちらから声をかけて聞く。まだ2回ほどしか開いていないカフェで、出来立てホヤホヤ。いろんな準備をして、決めてからスタートという感じではなく、やりながら決めて行こうというゆるい雰囲気が伝わって来る。結局一杯の飲み物をオーダーした後、そこにいた他のお客さんとも話しながら2時間ほど過ごしてしまった。閉店時間はとっくに過ぎていた。

日曜の9時から昼過ぎまでと金曜の夜しかやっていないカフェ。金曜はbarになる。いずれ子ども食堂をやりたいという話で聞いて来た場所であったが、お店の二人の様子を見ていると、誰でもいい距離感で話をする場所として繁盛しそうだ。料理や飲み物はこだわりがあるというわけではなさそうだったが、悪くもないだろうと予想している。元々他の場所で土建屋さんをやっていて、やりたいことの一環でカフェを開いている。話をすることの出来る雰囲気作り、場作りがメインだろう。去る者は追わず、残っているお客さまには敬意と寛容と親しみを込めて接する感じが出ていて良かったなぁ。話好き、人が好きという気持ちが前面に出ていた。

私自身も誰とでも話してしまう。悲しいかな、素敵な話好きと変な話好きがいるとしたら、変人側だなと思ってる。だから初対面の人とは程良く人との距離を取らないとな、とかいろいろ考えてしまうところもあるけれど、カフェの二人は笑顔で明るく「とりあえず話してみないとわかんないよね。」という感じが伝わって来て、和んだ。連絡先を交わし、店を出た。どこかで会ったことがきっとあるなぁと思うのだが思い出せない。話の内容でふと同じ名前と出来事を聞いたような気がする。けれどどうしても思い出せない。仲良くなる人に対してはそういう気持ちになるだけってことか?ちょっと気になって、もらった連絡先に帰りにお菓子をもらったお礼も兼ねて連絡をしてみた。もし前に会ったことがあったのならそれも嬉しいね~と返事が来た。おお、やっぱりこだわるところが私とは違うねぇ。いいなぁ。大切にしているところがブレないな。また居心地の良さそうな場所が出来た。

では今日はこのへんで。